第10号
会創立から13年。会員も柏、野田、市川、船橋、東京など各地に増え、その数なんと550人近くになっている。この号を機に『流山研究におどり』を『東葛流山研究』と改題して、研究分野を東葛全域に拡大した。第1部の特集は「水3部作」のうちの江戸川。水運、地名、関所、醸造、上水道、洪水、漁など、22編の論文に歴史年表、文献目録も加えての総力取材。福島茂太さんは、関宿から浦安まで辿っての取材「今は昔・江戸川の渡し」で、江戸川に渡しが多かった訳をとき明かしている。間藤さんの「名作・野菊の墓と伊藤左千夫の生涯」は、政治家への夢を断たれ、作乳業を営みながら、歌を詠み、純愛小説を書くまでが綴られ、22歳で東京に出奔する時の書き置きが、読むものの心をゆさぶる。
海老原澄子さんの「東葛おわい船考」は、貴重な肥料とされ、江戸から運ばれた人糞の話で面白い。「南総里見八犬伝と江戸川」は、千葉市の会員花澤怜子さんの寄稿。西村さんの歴史年表は、江戸川に関連するあらゆる事柄が網羅された労作。この号で私も初めて執筆に参加、江戸川に関する文献を求めて市川まで足を運んだ。ほかに菊池さんの「江戸川醸造繁盛記」、青木さんの「江戸川の漁」など。また、この年スタートした川柳講座の講師今川乱魚さんは「東葛地域の川柳活動」と題して、短詩形文芸としての川柳の来歴と将来を述べている。
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